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GK Action Improvement ~週末の試合からゴールシーンをアグレッシブな視点で解説~

tomoya ikeda

今週末は台風の影響による悪天候での試合が多くなりました。そんな中、セットプレーでのゴールが比較的多かったと思います。

前回 【雨の日のGK Action】ということで取り上げましたが、今回もこの悪天候が多少影響したであろう「セットプレー」での基本的な考え方と海外との違いにも少し触れていきたいと思います。

先週のチャンピオンズリーグでもベンフィカの守護神ミレ・スビラール選手の最年少出場記録で注目された試合での失点がセットプレーでの判断ミスでした。

そういった辺りと関連付けて、JLEAGUEで見た「セットプレー」とプレミアリーグでの「セットプレー」を少し比較してみたいと思います。

ピックアップしたのは3つのゴールです。

1つ目は、

サンフレッチェ広島vs川崎フロンターレ のフロンターレの先制点の場面、広島のGK中林選手のハイボールのキャッチングミスを拾ってゴールしました。

【参考】

【公式】ハイライト:サンフレッチェ広島vs川崎フロンターレ 明治安田生命J1リーグ 第30節 2017/10/21

【GK Action】蹴られてから少し前に出る動きをしてから、後方ジャンプ気味にキャッチングの態勢に入ったので、バランスも安定せず、風、ボールの回転、濡れたボールとグローブ、思考(「ミスするかも」)といった要素があり、判断と技術がリンクしなかったパターンです。

2つ目は

ジュビロ磐田vsアルビレックス新潟 ジュビロの2つの同点ゴールについて

【参照】

ハイライト動画 J1第30節 2017.10.21 磐田vs新潟

【GK Action】2つのパターンでしたが、ゴールに向かってくるか、逃げていくかによってラインはギリギリまで我慢して先に下がらないようにはしていますが、マーキングが疎かになったのとGKが出ない分、FP(フィールドプレイヤー)が守るスペースが増えます。

セットプレー時のディフェンスラインの設定とGK大谷選手の役割としてアプローチに関してあまり”積極的ではない”のかなと思います。

1つ目のゴール:インスイングでゴールに向かってGKの手前で磐田の選手にタッチされた
2点目は逃げていくボールゴールエリアに掛かる手前をカーブしていくボールを中央付近で合わされ失点

3つ目は

浦和レッズvsガンバ大阪 ガンバの同点ゴールの場面、ゴール中央付近でバウンドしてファーサイドから折り返しファン・ウィジョ選手が押し込み追いつきました。

【参照】

2017年10月22日 J1リーグ【第30節】浦和レッズ vs ガンバ大阪 DAZNハイライト

【GK Action】約束事として、蹴る前からこれだけPA(ペナルティエリア)内に下がってしまうとGKが出るスペースがありません。そもそも、もっと高い位置で西川選手がポジショニングを取る事も出来ます。

このように4つのゴールを振り返ると分かるのですが、いかに「セットプレー」においても守備側が積極的な戦略を立てられるかは非常に大事です。

中途半端な守備陣形だと相手にとってチャンスですし、守備側(GK含め)はカバーしないといけない事やより多く、早いリアクションを取らないといけないです。

要は”どちらでもない”状態です。

ラインを低くしてGKもあまり出ないのであれば、瞬間的には守備側は”待ち構えていないといけない”ですが、いずれの失点も相手と同時なので、攻撃側は勢いを持っていけます。

逆に下の画像はプレミアリーグでのマンチェスターシティのセットプレーの守備陣形です。

【参照】

Manchester City vs Burnley (3-0) - All Goals & Highlights 21/10/2017 HD

DFラインの高さが全然違う事が分かると思います。これにより相手は「GKの出れないピンポイントで落とす」か「逆をついてGKの頭上を越すシュートを打つ」など考えないといけない事が増えます。これは戦略のひとつになりますし、実際に蹴ったボールはぽPKマーク付近でGKとDFがガチャンしてでも先に触ります。ましてやこれがこの試合の最初のセットプレーだとしたら、相手はどう思うでしょう…”考えないといけない”状況というのは、戦略的で知的、まさにグアルディオラ監督らしいですね。また、ハイボールがあまり得意ではないといわれるデ・ヘア要するマンチェスター・Uもこのように高いディフェンスラインでセットプレー守備を行う事があります。

では、冒頭のベンフィカのスビラール選手の失点はミスなのか…

確かに「判断」ミスだけど戦略のひとつとしては、「相手にゴールに打たせる」という考えは出来ないだろうか。ましてやこれでベンフィカは守備に極端にDFラインを下げる事はないだろう思う。

これから、JLEAGUEの選手、日本人が海外でプレーするなら必ず、ボディコンタクトは懸念されると思う、そういう意味でもスケールの大きな選手が出て来るのと同時にセットプレーを戦略的に戦うという考え方も養えると良いですね。

私はブラジルで大柄な選手たちと戦う時に、いかに「見えないプレッシャー」を掛けれるか、工夫した。セットプレーでの積極性もそのひとつ、それが結果ミスであっても自分からアクションを起こしている分には「次はどうしよう」が考えられます。

GKは戦術・戦略が割です。

今回は”技術の前”の部分をピックアップしました。ベンフィカのスビラール選手は18歳、しかもベルギー出身。現在開催中のU17 WorldCupでもスター候補がいると思います。

日本代表の谷選手も良いと思います!

それでは、ぜひ次回をお楽しみに。。

See you next time..


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