今回は、ミッドウィークに開催されたチャンピオンズリーグ準決勝1stレグの2試合それぞれから生まれたゴールシーンに共通するあるシューターのテクニックについてGK視点で解説します。
♯1斜めのパスを流してGKを横にズラしてダイレクトで打つ―
まずはバイエルン・ミュンヘンvsレアルマドリードの試合でマルコ・アセンシオ選手の逆転ゴールをピックアップ。解説の福田さんも仰ってましたが、バスケス選手からの斜めのパスをトラップせず横に流してGKを少し横移動させてから、ファーサイドに決めました。
更にこの時にGK(ウルライヒ選手)の肩口、腕が一番出ずらいコースに軽くチップ気味に打つというテクニックは、非常にGKにとっては難しいシーンとなりました。
やはり”シュートコースを消すポジショニング”には3次元的な発想が必要で、ただ横移動だけでは消しきれない、もしくはタイミングが合わない。事が良くあります。私はこの時に両足の小刻みなジャンプともステップとも取れるような移動(間合いの詰め方)を推奨します。
テア・シュテーゲン選手(バルサ/ドイツ代表)やブラボ選手(マンC/チリ代表)などそうですし、低い姿勢からのコラプシング(解説動画⇒ https://youtu.be/-UU-WI8qp8g
)というセービングテクニックで言えば反応の速さや熟練した読みではブッフォン選手(ユベントス/イタリア代表)は、今回のウルライヒ選手のコラプシングより可能性はあったのではないかと思います。




【ハイライト】バイエルン×レアルマドリード「UEFAチャンピオンズリーグ17/18 準決勝 1stレグ」
Date:2:25~3:10
♯2 縦パスのファーストタッチをあえて斜めに持ち出してGK倒してからのチップキック―
リバプールvsローマの試合でモハメド・サラー選手が決めたチーム2点目のゴール。ローマの最終ラインの裏で受けた時に直線のパスでしたが、あえて斜めの動きに合わせてファーストタッチをそのまま左方向に持ち出すことでローマのアリソン・ベッカー選手を引き出し尚且つ体を倒し気味にコースを消しに来たところでチップキックで肩口を通すシュートを決めました。
♯1のアセンシオ選手のシュートと違い、わざと斜めに持ち出すことでシュートコースを作り、GKを横に移動させ尚且つ体を倒させることに成功しました。アリソン選手からしてもあの勢いでトップしてくるとシュートフェイントからそのままGKをドリブルで抜かすことも出来る状況なので、警戒したと思います。それもあり少し間合いを詰め切れなかったと思います。




【ハイライト】リバプール×ローマ「UEFAチャンピオンズリーグ17/18 準決勝 1stレグ」
Date:1:08~1:55
ポジショニングと予測、状況判断の元で間合いを詰めることが出来るかー
それを特にアグレッシブな姿勢で出来ると良いのではないかと思います。
今回、ウルライヒ選手もアリソン選手も実力には何の疑いもない中で、それをゴールの言う形で上回ったアセンシオ選手とサラー選手。
そこにあった、判断とテクニックについて、解説しました。