昨日の日本vsハイチ
まさかの3失点を喫した試合、先発した東口選手のパフォーマンスは川島選手を脅かすことになったのか… 今回は、GKアクションの部分と守備陣というグループ戦術的な要素と共に解説したいと思います。 まず、1点目について… 日本の左サイドで相手FWにキープされて、バイタルエリアに侵入してきた相手ボランチをフリーにさせてしまい、ペナルティエリア中央でゴールを許しました。



【GK Action タクティカル(戦術)】
左サイドでの相手選手のキープの間に中の状況から酒井選手の絞りとそこでカバー出来なかった時の”次の手”を戦略的予測と行動に反映できたか?です。 【GK Action 戦略的アクション】
戦術的かつ”戦略的予測と行動”を踏まえ、この場合の最良の選択肢としては、ボールの正面にポジションを取ってからフロントダイブや手、足をコース上に出す必要があります。 今回のようにフロントダイブのような格好でアプローチすると、どうしても一緒コース上に何もない状況が出来ます。 これはFP(フィールドプレイヤー)目線では、いちばんタイムラグ(チャンスを逸する可能性)のない、つま先で突き脇下を通す形でゴールしやすいです。 やはり、世界レベルのFPは一瞬のチャンスを逃しませんし、年々瞬間的にボールを浮かす技術やコントロールシュートの技術は上がってますから、GKはフロントダイブの最善の使い道を考えなければならないです。それは“やらない”という決断なので勇気も経験も必要です。 2点目― セットプレーでしたが、完全に相手の意表を突いたプレーに慌てました。シュート自体は(相手からして)右からのボールを右足で左に流すようなシュートなので、キーパーから逃げていくのとスリッピーなバウンドにより指先ギリギリを抜けました。

↓↓この瞬間に”前へプレジャンプ”を行う↓↓




【GK Action シュートストップ】 私が推奨するのは、「積極的なGK アクション」ですが、そのひとつにサイドクロスの際の瞬間的に繰り出す“前へのプレジャンプ”です。 説明が難しいですが、プレジャンプというキーパーがシュートを打たれる前に行う小さなジャンプですが、色々な意味、目的がある中で「やらない方が良い」という意見もある一方、私は使うタイミングで最大効果を得れると考えます。 今回の当てはめると、横からのボールの場合どうしても横への移動や姿勢は修正できますが、「前へ」は行かないです。でも、ポストとボールを結んだ三角形△のコースを最も消せるのは本来「前へ」の動作なので、シュートを打たれる瞬間に数十センチでも…今回は数センチでも触れたでしょう。 ただ、この意識付け→無意識化が難しいです。 練習や試合で状況に応じてタイミングを取れるようになるためにtry&errorを繰り返します。 3点目― 時間帯、スコアの意味などから、「スーパーゴール」扱いされていますが、よくよく見ると回転数が少なく多少伸び気味でしたが巻きのシュートです。(最初、無回転かと思いましたが) それも2点目同様、指先ギリギリのところを抜けました。


【GK Action 戦略】戦略的予測に基づくポジショニング 状況として、バイタルエリア(シュートレンジ)でDFが遅れてアプローチしにいっている。ボールコントロールもシュートのために持ち変えている。 この状況から、もしくはそもそもポジショニングを“シュートのために”ある程度、中央寄りに取る必要がある。 それによってセービングをするまでに3歩を要したのを2歩にでき、その分触れる可能性は高まったと思う。 【GK Action シュートストップ】姿勢とセービング 今回、姿勢に関して注目してみたのですが、他にゴロのシュートをセーブした時の姿勢は“余裕”があって、シュートが弱かったものの非常に良かったと思う。 やはり3点目は少し低かったと思います。これによりスタンスが開き、動き出し時の重心移動にも時間が掛かってしまいます。 今回は代表も数年ぶりとなる3失点となりましたが、改めてDFとGKという4~5人からなるグループで守る事とその際の役割と判断の明確化が大事だと感じました。 特に3点目は1度相手DFラインまでボールを下げさせているにも関わらずもう5mでもラインの押し上げとGKの積極的なブレイクアウェイの意識とポジショニングで同時にリスクヘッジを行えば、クサビに対してCBに強くいかせられたと思います。終始あの縦パスを通させているのか、それならそこを取りどころにするのか、わからなかった部分です。これは戦術と戦略の両方に問題があります。
仮にハリル監督がハイプレスを推すなら局面と同時に戦略的にそのシチュエーションを作らないといけないですね。 相手がどんな攻撃をするか、ではなく自分達がどんな守り方を示し相手にどんな手があるかを引き出さないといけないです。 それが戦略的に戦うことのひとつになります。
【参考】守備崩壊全シーン 日本代表vsハイチ代表戦20171011 https://youtu.be/B2g63Riw8LU